漱石とペリカンの万年筆
シナリオ教室の課題「イライラしている人 200字詰め原稿用紙4枚」を一応書き終えたので,昨日の昼休みはPDAのサスケで青空文庫の本を読むことにしました。選んだのは夏目漱石の『余と万年筆』という随筆です。
明治・大正の文豪ですから,当然,万年筆を使って原稿を書いていたのだろうと思っていたら,初期の頃はいわゆる付けペンを使っていたようです。
漱石が最初に買った万年筆はペリカンだそうです。へぇ,私が今使っているのと同じじゃないと思いつつ読み進むと,漱石のペリカンの万年筆に対する評価は酷い!!
昔だって使いやすかったはずなのにと思って,さらに読み進むと,酷いのは万年筆ではなく,漱石の使い方でした。『彼岸過迄』をペンとペン軸で書き出して,万年筆の便利さを思い至るときの表現には笑ってしまいました。
「其時余は始めて離別した第一の細君を後から懐(なつ)かしく思う如く、一旦(いったん)見棄(みすて)たペリカンに未練の残っている事を発見したのである。」←青空文庫版『余と万年筆』から引用
漱石は結局,「現に此原稿は魯庵(ろあん)君が使って見ろといってわざわざ贈って呉(く)れたオノトで書いたのであるが、大変心持よくすらすら書けて愉快であった。ペリカンを追い出した余は其姉妹に当るオノトを新らしく迎え入れて」と,オノトという万年筆を愛用することになったようです。
オノトの万年筆って,そんなに書きやすいのでしょうか。復刻版が限定発売されたときの価格をネットで見たら,「超高級」なお値段でした。手に入るものなら使ってみたい気がします。
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